日々、ちょっとずつ

30代ワーママ、ブログというアウトプットで、少しずつもっと好きな自分に近づきたい

読書感想ー祈りよ力となれ

f:id:tanimurafumi:20210504213737j:image

「祈りよ力となれ(リーマ・ボウイー、英治出版)」

 

HUCのメンバーの方に、紹介いただいて、譲っていただいた本です。

ゴールデンウィーク中に、この本を読み切りたい、と思って、

なんとか間に合いました。

 

アフリカのリベリアで起きた紛争を終わらせる運動を行なって、2011年にノーベル平和賞を受賞した女性の自伝です。

 

とにかくなにより、

壮絶…。

私が生まれる前の話ではなく、もう中高生くらいの頃の話であることに衝撃でした。

私は何も知らないで、この歳まで生きてきたけれど、

世界ではこんな信じられないことが起きていたのかと、

自分の無知を呪いたくなるほどの壮絶な話がここにはありました。

 

日本が経験した戦争は、

当時の人々は、国の雰囲気に洗脳(?)されて、

自ら命を絶ったり、というようなイメージでいたけど、

リベリアの場合には、扇動者に子供たちが捕らえられて兵士にさせられ、

薬物などでハイになって、人々を襲うような、

そんなやり方だった部分が読み取れました。

扇動者に対して、同じ人間のやることなのか…と絶句してしまいました。

 

また和平交渉のための話し合いも、

当事者たちは、綺麗で豪華なホテルで、ダラダラとバカンスのように過ごし続けることを目的にしたり、

戦争を終わらせるときには、自身のポジションを確立しておく必要があり、

そのためには人が死のうが戦争を平気で長引かせる、

というような内状の話にも、

衝撃はもちろんのこと、呆れにも近い感情になりました。

 

そうした状況にあってして、

リーマは本当に力強く、這いつくばって生きたのだということが伝わってきました。

彼女を、「立派」だとか「素晴らしい」とか、そういう風に表現するのはなんだかしっくりこないのです。

生き抜いて、這い上がったそのエネルギーを、そのまま平和活動に転換させた、

そしてそれが、多くの人の心を動かし、世界を動かした、

そんな風に感じました。

 

苦しんで苦しみ抜いた経験や立場が、

世界を平和にすることに貢献するエネルギーになることは、

多くの人に希望を与えるものであったと思います。

 

私が全く知らなかったから、というのもありますが、

この希望について、

もっと多くの人が知るべきだと感じました。