「祈りよ力となれ(リーマ・ボウイー、英治出版)」
HUCのメンバーの方に、紹介いただいて、譲っていただいた本です。
ゴールデンウィーク中に、この本を読み切りたい、と思って、
なんとか間に合いました。
アフリカのリベリアで起きた紛争を終わらせる運動を行なって、2011年にノーベル平和賞を受賞した女性の自伝です。
とにかくなにより、
壮絶…。
私が生まれる前の話ではなく、もう中高生くらいの頃の話であることに衝撃でした。
私は何も知らないで、この歳まで生きてきたけれど、
世界ではこんな信じられないことが起きていたのかと、
自分の無知を呪いたくなるほどの壮絶な話がここにはありました。
日本が経験した戦争は、
当時の人々は、国の雰囲気に洗脳(?)されて、
自ら命を絶ったり、というようなイメージでいたけど、
リベリアの場合には、扇動者に子供たちが捕らえられて兵士にさせられ、
薬物などでハイになって、人々を襲うような、
そんなやり方だった部分が読み取れました。
扇動者に対して、同じ人間のやることなのか…と絶句してしまいました。
また和平交渉のための話し合いも、
当事者たちは、綺麗で豪華なホテルで、ダラダラとバカンスのように過ごし続けることを目的にしたり、
戦争を終わらせるときには、自身のポジションを確立しておく必要があり、
そのためには人が死のうが戦争を平気で長引かせる、
というような内状の話にも、
衝撃はもちろんのこと、呆れにも近い感情になりました。
そうした状況にあってして、
リーマは本当に力強く、這いつくばって生きたのだということが伝わってきました。
彼女を、「立派」だとか「素晴らしい」とか、そういう風に表現するのはなんだかしっくりこないのです。
生き抜いて、這い上がったそのエネルギーを、そのまま平和活動に転換させた、
そしてそれが、多くの人の心を動かし、世界を動かした、
そんな風に感じました。
苦しんで苦しみ抜いた経験や立場が、
世界を平和にすることに貢献するエネルギーになることは、
多くの人に希望を与えるものであったと思います。
私が全く知らなかったから、というのもありますが、
この希望について、
もっと多くの人が知るべきだと感じました。