「『男女格差後進国』の衝撃〜無意識のジェンダー・バイアスを克服する(治部れんげ、小学館新書)」
HUCのコミュニティ内で少し話題になっていたので読んでみた本です。
紹介されている情報やデータが、これまで読んだどの本よりもおそらく新しいので、
読み終わって、情報としてアップデートされた感がありました。
ジェンダーギャップ指数が、
日本はOECDで121位とかなり低い、というのは以前から話題になっており、やるせない数値…という思いはありました。
ただ、
国内の男女格差を測る場合、大卒女性でも自分で家事育児をすることが多い日本と、大卒女性がケア労働を安く外注している途上国では、後者の方が男女格差は小さく見えるのです。これが目指すべき姿かというと、私はそうは思えないのです。
この部分を読んで、
なるほど、
格差の現れ方は一様ではないんだな、と考えさせられました。
目指すべき姿はここじゃない、
でも、日本は、マイノリティの最大派閥たる女性に対してこれだけの格差があるのに、
更なるマイノリティへの配慮が出来るとは到底思えない…
最大多”様”の最大幸福は、本当に難しいなと感じました。
ジェンダーギャップ、というか、母親の働きにくさ、を感じる場面は多くあります。
育休プチMBAで学んでいても、
「うまく仕事と家庭を回すために、どんな努力が必要か?」
「このケースを回避するには、どんなことをしておくべきだったか?」
といった話がケーススタディの中で多々出てきます。
頭を捻って意見を出し合いながらそれを考えていると、ふと、
そりゃそうなんだけど…配慮とか努力は必要なんだけど…
それをもって、必死で不足のない状況を作り出してやっと、「なんとか普通に働こうとしてるって状況」って、何これ?
冷静に考えたら、おかしくない?
って思ってしまうのです。
努力は必要だし、それなりにしている。
でも、それを100%にし続けることで維持するという努力を、いつまで個人がしなきゃいけないのかな?
普通に働こうとしてるだけなんだから、
本来歩み寄るべきは社会や企業の側なんじゃないのかな?
そこを変えるにはどうすればいいのかな?
今度のHUC2周年祭に、宮田裕章先生が来てくださることになっています。
私も質問ができるかもしれない立場にいます。
このあたりの見解、伺ってみたいけど、
限られた時間の中で、話せるかなぁ…。笑
社会を変えるために個人で出来ることはなんだろう?
現世では無理だとしても、子供たちの世代にこの問題を残したくない。
我が家には男児しかいないから、
女性が抱えがちなモヤモヤを我が子が味わう可能性は限りなく低いです。
でも、この問題って結局、
男性も…いやむしろ男性「が」、変わらないと解決しない問題と言える部分も多分にあって、
子供たちのために家庭でできるひとつひとつの小さなことにも、
ちゃんと目を向けていかないといけないなと思いました。